子供に聞かせる<お話桃太郎>を考える                     犬山RC小川征一会長挨拶(全文:2003-03-18) 

『こんなところで桃太郎』

 先日孫がなかなか寝ないので「桃太郎」の話をしました。
「昔、昔あるところに、おじいさんとおばあさんがいました」から始まる子どもの頃の
懐かしい話です。
そうしますと、「昔、昔」の年号はいつか?「あるところ」とはどこの事か?「おじいさんの
名前は何というのか?おばあさんの名前は何というのか?」とうるさくいちいち聞くので、
適当に話をしておりましたところ、静かになったので寝たのかと思い、「寝たのか?」と
聞いたところ、「聞く前だったら安らかに寝れたのに、お父さんの話を聞いていたら馬鹿
馬鹿しくて目が冴えてしまった。」と。
 「桃太郎」の話は、こういうふうに話すんだよ。
この物語は室町時代に作られた日本三大おとぎ話の一つに入る有名なお話です。
昔、昔ですが年号を決めてもよかったのです。江戸なら江戸、鎌倉なら鎌倉と。でも、
年号を決めると、その時代で終わってしまうので、字まくら言葉として「昔、昔にしたん
だよ」。あるところ、これも地名を決めてもいいんだ。犬山なら犬山、岡山なら岡山と。
でも、地名を決めると、その地方だけで話が終わりになりがちなので、あるところにすると、
日本中どこに行っても「あるところは、あるところ」ですと。「ここが作者の頭の良い所なんだ」
「そして、お爺さんとお婆さんがいました」本当はお父さんとお母さんだったのです。「でも、
父、母にすると話が固くなるから、やわらかくするためにお爺さんとお婆さんにしたの」だと。
お爺さんは山に芝刈りに行きました。「これ本当は、父の恩は山よりも高い」というものを
表しているの。「母の恩は海よりも深い」でも、海には洗濯に行けないので、水に縁のある
川に洗濯に行ったとしたの。「父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し」ここが一番の
良い所なんだ、と。「川上から桃が流れてきて、この桃を包丁で割ったら男の子が生まれた」
大人たちは信じていたの?桃の中から子どもが生まれるか?桃の中から子どもが生まれて
みなさい、果物屋のまわりは子どもだらけになってしまうよと。違うよ、「腿と腿の間から」私は
思わず「チョット待て、お前はどこからそんな事を覚えてきたんだ」そうしたらウソ。「桃のように
可愛い子という意味」だと。この子が段々、段々大きくなりました、当たり前の話で大きくな
らなければ小さくなってしまう。「鬼が島という島」がこの地球上にね、難しい言葉を使った
もんだ、地球といっても西洋料理のシチュウでは無いよ。地球とシチュウとは違うの、よく世間
の事を何ていうの「鬼のような世間」と言うでしょう。ああいう世間を示す事を「鬼が島」に行っ
た事にしたの。そして、キビ団子、キビでできた団子の事、甘いので辛いほうがおいしい。この
キビ団子は人間にオゴリに溺れたり、贅沢をしてはいけないといういましめが入ってるの。犬に
サルにキジ、こんな動物を連れて歩いても、何の役に立つのか?これも立派にたとえ、犬は
三日飼ったらその恩を忘れない恩義を、サルには猿知恵がある。キジは勇気を持っている。
人間は知人勇があればどういうところに行っても大丈夫という事。一生懸命に働くと何が付
くの、信用がつくんです。信用って何「人間の宝物でしょう」その信用という宝物を全部持って
帰ってきて、お爺さん、お婆さん、お父さん、お母さんを喜ばせたというのが「桃太郎」のお話
です。
お父さんみたいに口から出任せにペラペラ、ペラペラ喋ってはいけません。「もう少し勉強しな
さい」と言われてしまいました。近頃の子どもには手を焼きます。

                                               終わり