| 『ないしょの「ひみつ」』 《桃太郎大賞》 平山さん(小学4年生) 愛知県春日井市
「ないしょのないしょだよ。ふたりだけのひみつだよ。」お母さんと私だけのひみつがあります。でも、だれかに話したくて、知ってもらいたくて、うずうずしています。ここで、そのないしょのひみつをお話したいと思います。
通学路に2ヶ所ゴミステーションがあります。もうすでに、ねこやカラスにあらされて、ゴミがそこら中にちらばって、よけながら通ることもあります。
でも、下校時には、朝のちらばりがうそのようにきれいになっているのです。パッカー車の人が、ていねいに一つ一つ拾って行くわけでもないし、だれかがそうじをしてくれたのだな?って思うことが何度もありました。
私たちの町はかんきょう美化に力を入れています。月に1回、草とりと年に2回のクリーン作戦があります。でも、いつも、私たち姉妹のプールの練習や競泳大会があるためほとんど参加できません。
そのことをお母さんは、もうしわけないと、心をいためているようです。だから、何か役に立つことがあればと考え、気がつくと、ほうきとチリトリとゴミふくろを持って、ゴミステーションをまわり、それから、神社へ行って、私たちの遊んだ後のお菓子のくずや飲み終えたペットボトルなどを拾い集めます。ひとまわりすると、小さなふくろは、ゴミでいっぱいになるそうです。
お母さんと、区長さんのこんな話のやりとりを聞いて、初めて知りました。
今まで4年間、まさか、お母さんがそんなことをしているなんて、これっぽっちも思ってみませんでした。だれにもみとめてもらえないのに。だれにもほめてもらえないのに。それなのに一生懸命、そうじをするなんて…。
お母さんのすてきな考え方、生き方にふれて、ゆめのように不思議な話なのに、なんだか、少し、悲しくなりました。それは、自分自身に人間らしい心をわすれてしまっていたからです。毎日プールでがんばっているのだから、と、あまえ、まわりに目をやれない、おろかさをしみじみと教えてくれたからだと思います。
人のために、何かをつくすことをほこりに思い、すすんでがんばるなんて、ステキだと思います。
お母さんのように、美しい心を持てば、きっと明るく楽しく、くらせるはずです。美しい心には、すばらしい夢が生まれます。自分の未来に夢を持てば、毎日がいきいきとした気持ちで何事にもがんばれると思います。
ぷよぷよして、いつも、どこかに、やけどやすりきずをしているお母さんの手。そんなお母さんの手をにぎりながら、こんなふうに思いました。そして、お母さんの手のぬくもりといっしょにやさしさと勇気も伝わってきたように感じました。
お母さん。ごめんなさい。
ないしょのひみつを話しちゃいました。 |