犬山周辺カメラ撮影ガイド   撮影及び文:青山松之(犬山市)
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犬山周辺カメラ撮影ガイド(7)  花火の撮影

 夏はカメラマンにとって嬉しくない季節である。高山や海辺ならともかく、犬山周辺ではあまり撮るものがない。第一、何処へ出かけるにしても暑いのが困る。しかし、花火大会だけは別だ。夜空にきらめく鮮やかな色彩と迫力ある音響が、私達を誘い出すからだ。
日本の花火は、その色,形、動きなど多彩な要素が芸術的にまとめられ、演出の素晴らしさはおそらく世界一の水準にあり、立派な文化財といえる。知事の許可を要する一定規模以上の打ち上げは、全国で年間7000件前後あり、打ち上げ業者は400社(うちメーカーを兼ねるのは、220社)程度といわれる。全国的に有名なのは、大曲、長岡、隅田川、諏訪湖,琵琶湖、PL教祖祭、岡崎,熊野,宮島、八代等々がある。(しかし、実際に出かけるとなると往復の交通問題、宿泊の便、見物席の良し悪しなどなかなか大変とのことである。)
 犬山の花火大会は、毎年8月10日、「日本ライン夏まつり」と称し、3000発程度の中規模の大会である。打ち上げ場所は3箇所で、小玉やスターマインは犬山城前の木曽川の船上、大玉はライン大橋のすぐ下手、最後のナイヤガラ仕掛け花火はライン大橋そのものに仕掛けられる。最も良い撮影場所は、犬山橋からライン大橋までの木曽川堤防であろうが、混み合うので三脚を立てられる場所を確保するのが大変である。いっそ、成田山か善光寺山まで上がっても良いが、望遠レンズが必要となる。理想的には、打ち上げ場所から300〜600m以内で、周囲に道路,駐車場,夜店、仮設照明灯や街路灯がないこと。また風上であることが望ましい。いずれにしても、良い写真を撮るには、良い撮影場所を確保することが第一の条件である。


日没直後はトワイライトの夜空が美しい
(15分程度)
犬山橋から川面を写す  スターマイン(露出オーバーになり易い)
犬山城に火の雨が・・・              煙が溜まると風下はまずい
(成田山から望遠レンズで)
尺玉の打ち上げ


色彩の変化が鮮やか 多重露出の一例 蝶のかたち
 
アート花火A(時間差、画角差多重露出) アート花火B

必要な機材
 カメラ    35mm一眼レフカメラがよい  
      マニュアルモードに切り替えができ(自動焦点を解除し、無限遠に固定する)
      シャッター速度にバルブ機能があり(1枚のフィルムに何度も写せる多重露出ができる)
      ケーブルレリーズをつけられる機種(指でシャッターボタンを押すと振動してブレる)
        注意  使いきりカメラ、スナップカメラ(いわゆるバカチョン)、普通のデジカメ
            などは、いろいろ問題があり、思い通りに撮影できないことが多い。
 レンズ    35〜105mm程度のズームレンズがよい。
 フィルム   ネガでも良いが、本格的にはポジがよい。ASA100でよい。
 三脚     露出時間が長いので、絶対必要。カメラをタテ位置にしてもズレない丈夫なもの。
 レリーズ   カメラと別売り品。シャッターボタンを直接指で押さないためのケーブル。(30cm程度)
 遮蔽紙    レンズを蔽う黒い板紙。帽子、団扇などで代用しても良い。多重露出に使う。
 その他    懐中電灯、予備電池、花火大会プログラム、メモ用具、雨具など。

撮影の仕方(伝統的花火写真)
 ピント    自動焦点機能を解除し、マニュアルで無限遠にしておく。(知らぬ間に動いていることがあるので時々注意する。)
 絞り     F11程度。スターマインのときは明る過ぎるので、もっと絞る。
 フレーミング 周りの風景も取り入れるか、花火だけを撮影するのかで異なるが、花火の開く高さや方向を予測し、カメラをセットしておく。発射音や上昇中の光跡である程度予測できる。
 シャッター速度  バルブモードにしておき、レリーズケーブルを押している間、開放する。通常1〜4秒。花火の種類や明るさで時間を調節する。花火が開いたのを見てからでは、本当は遅いのでできるだけ事前にレリーズを押す。

 多重露出  一枚のフィルムに花火が1発だけ写っているのは淋しい。数発写せば画面が賑やかになり、迫力が出る。その方法は、レンズを遮蔽紙で覆い、レリーズケーブルを押してシャッターを開放したまま、ネジで固定しておく。これぞというとき遮蔽紙をはずして露出し、すぐにまた蔽う。これを数回繰り返すと多重露出になる。(あまり何度もやると画面がゴチャゴチャになるので、2〜3回がよい)。あらかじめ結果が予測できないので、花火の位置関係、色彩のバランス、光跡の流れ方などがバラバラになる。たくさん写して良いものを選ぶしかない。それでも場数と経験で腕を上げていけると思う。

アート花火(光によるデザイン)
 花火の写真とは、花火玉に内包された「星」が燃えながら飛び散ってゆく、その「光跡」を撮影したものといえる。普通は「見たまま」に撮るが、別の分野でアート花火(イマジネーション花火)というのがある。風景や人物を入れず、花火そのものの光跡を使った、いわば光によるデザインである。特に決まった手法があるわけではなく、多重露出により、さまざまなパターンや色彩を組み合わせる。撮影者の好みとセンスと運?に左右される。ASA400などのフィルムにすれば、かなりの高速シャッターもきれるので、三脚なしの手持ちでも撮れないことはない。カメラ内蔵の多重露出機構を使って撮影回数をセット(9回出来る機種もあるが2,3回がよい)し、シャッター1回ごとに、条件(画角、絞り、速度等)を変えて撮影する。(ケーブルレリーズも遮蔽紙も不要)組み合わせはいくらでも考えられ、たくさん撮らないと、これはという写真はできないが、カメラのいろんな機能を勉強するという意味でも面白いかと思う。

実は、花火の撮影は非常に忙しいものです。アッという間に時間がたってしまう。とても夏の夜の情緒に浸っている余裕はないので、あらかじめお断りしておきます。